遺伝看護の分野に携わる看護師は、さまざまな診療科で活躍することができる。特に小児科からがん治療を行う科などの現場では重宝されるだろう。遺伝性疾患や遺伝的な問題は、多くの診療科を跨るものであるため、今後遺伝治療の研究が進めば進むほど、遺伝看護に携わる看護師の活躍の場は広がっていくと考えられる。どの現場で合っても遺伝看護に携わる看護師に求められるものは3つある。1つ目は生涯にわたる生活支援である。現状、遺伝子疾患は治療を行っても、完治することは難しい。つまり、一生涯その病気と向き合っていく必要があるということである。遺伝看護に携わる看護師は、そうした患者に寄り添い、生活のサポートを行うことが求まられるのである。2つ目は、心の支援である。遺伝性の疾患があると判明した患者やその家族は、それを知った時精神的なショックを受ける。そしてそのショックを受け入れる余裕もないまま、その後の人生をどのように生きていくか考え始めなければならない。遺伝看護に携わる看護師は、こうした患者やその家族の不安を理解し、適切な情報提供と寄り添う姿勢で、心理的なケアを行うことが求められるのである。そして3つ目は、チーム医療での協同である。遺伝性疾患の治療に関わるスタッフの全員が、専門的な知識を有しているわけではない。そのため、専門知識の無いスタッフが円滑に業務を進めていくためにも、遺伝分野の知識を豊富に備えた看護師が、相談に乗りサポートしていくことが求められるのである。

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