遺伝看護専門看護師の実態とその役割

遺伝看護専門看護師とは、遺伝的な課題を抱えている方や遺伝学的関与が考えられる疾患にかかっている人に対して、遺伝看護に関係する技術と知識を活用しながら、高水準の看護ケアを提供する看護師のことである。2017年から認定が始まったまだまだ新しい分野だ。遺伝性疾患や遺伝的な課題はさまざまな職種や診療科と交差的に関わっているため、遺伝看護専門看護師は組織を横断的に強調していくという大切な役割を担う。その他にも、遺伝子疾患や遺伝的な課題を抱えた患者に対して、高度な知識からアウトプットした情報をわかり易く提供したり、対話をしながら相談に乗ったりもする。遺伝子疾患などは、対象者だけの力では解決できない問題も多く発生するため、きちんと知識を持った人のサポートが必要になる。遺伝看護専門看護師は、それらの対象者に寄り添い、医学的な知識に則った生活の支援なども行うのである。また、遺伝看護専門看護師は、医療に従事している方や一般の市民などに対して、遺伝看護を普及させる啓発活動を行うという役割がある。遺伝看護についての周囲の理解を深めることは、遺伝子医療の体制をより良いものへと構築してくことにも繋がるため、重要な役割の1つであるということだ。今後、遺伝子治療に関する研究が進み治療法が確立していけば、おのずと遺伝看護専門看護師の需要は高まっていく。まだまだ知名度は低いかもしれないが、将来性のある分野であることは間違いないので、今後はこの専門分野に触れる看護師が増えていくことになるだろう。